2024年02月28日

「これならできる特選スピーカーユニット 2023年版 ウェブコー編」SP製作 5

計測風景a.jpg

ある程度エージングを行った後で計測してみました。いつもどおり、周波数特性はピンクノイズ、軸上1m、「Audio Frequency Analyzer」アプリを使っての計測です。

まずはエージング後のメインキャビだけを測ってみます。

特性_キャビ(エージング)a.PNG

組上げ直後とは10kHz以上が違うようですが、最初に測った時は軸上から少しずれていたのかもしれません。低域方向は160Hzのピークが下がり減衰がなだらかになったように見えます。

再度メインキャビと脚部を接合し測ってみた結果は。

特性_組上a.PNG

80-100Hzがアップしさらに50-63Hzも若干上がっている感じがします。

元々メインキャビをバスレフとして設計し脚部はダクトの延長と考えていましたが、メインキャビ1.2L、脚部方側約2.5L両方で倍の5Lとなりダブルバスレフ的動作になっているようです。

ダブルバスレフとするとざっと計算して fd1=81Hz、fd2=66Hzとなりますが、その通りに動作しているかはインピーダンス特性をみてみないとわからないですね。

次に仰角を変え高域特性がどれくらい変化するか見てみましょう。

測定位置固定でメインキャビを上向きに仰角を0°→ 15°→ 30°→ 60°→ 90°と振っていきます。仰角の計測には「ClinoScope - 傾斜計&ジャイロスコープ」アプリを利用しました。

・仰角(0度)
仰角(0度)a.jpg

仰角(0度)PN特性_L_a.PNG

・仰角(15度)
仰角(15度)a.jpg

仰角(15度)PN特性a.PNG

・仰角(30度)
仰角(30度)a.jpg

仰角(30度)PN特性a.PNG

・仰角(60度)
仰角(60度)a.jpg

仰角(60度)PN特性a.PNG

・仰角(90度)
仰角(90度)a.jpg

仰角(90度)PN特性a.PNG

15°がフラットな特性ですね。30°になると12kHz近辺が落ち込み、60°、90°は6kHz以上がなだらかに下がっていきます。

スピーカーセッティングとしては左右の角度が15度になるよう設置すれば、この特性が得られるような設計になっているのでしょう。左右間隔120cmとすれば、スピーカーから約220cmの位置で聴けばよいということになります。

ここからは肝心の音質です。

見た目からScanSpeakのような柔らかな音を想像していましたが、思った以上にレスポンスの速いタイトな印象。10cm強四方のキャビの効果か濁りや歪を感じさせない中高域です。

今回のシステムとしての傾向は、低域側の量感があまり出ていないので全体的にシャープな音質です。立上がり、立下りが速く、ドラムスネアやギターのピッキングがリアルに感じられます。

バッフル面積が小さいので、ボーカルのセンター定位も輪郭よく表現できているようです。少々侮っていましたが、このユニットはかなり好みの音を鳴らしてくれます。予算があればマルチのミッドハイにも使ってみたいところです。

計測作業中に仰角調整や脚部取り外しで設置していると、この直立二足(歩行はしません)型はかなり不安定です。

これでは地震にも弱いですし、安全面からも台座に固定したほうがよさそうです。

適当な大きさの板がなかったので、幅300mm程度の板を寄せ集めてとりあえず作成して木ねじで固定しました。

台座(1)a.jpg

台座(2)a.jpg

後は色々と音源を変えて聴いていくことにします。
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2024年02月24日

「これならできる特選スピーカーユニット 2023年版 ウェブコー編」SP製作 4

メインキャビ(エージング)_2a.jpg

1日程メインキャビのエージングを行いました。

これだけでもサイコロ型キャビで剛性が高いので、結構タイトな低音を感じることができます。

ダクト開口面積が狭いので、ちゃんとバスレフ動作になるのか心配でしたが、振動は抜けているようです。

バッフルも小さいので、ボーカルなどのセンター定位はばっちりです。

いよいよメインキャビと脚部の合体です。

合体(1)a.jpg

円筒ダクトと脚部の開口径をぎりぎりに合わせているので、結構はめ込みに力が要ります。無事接合完了。
 
「たちあがれ ガンダム」

合体(2)a.jpg

というより(赤っぽければ)第7使徒かイデオンか。イデの発動ということで希望となるか破滅となるか・・・

設置(1)a.jpg

今回のギミックとしては、脚部接合部は接着しないことでメインキャビの仰角を変えることができます。

約45度として耳にユニット軸上を合わす、

仰角(1)a.jpg

また上向きにして音場型と変形ロボットのよう。

仰角(2)a.jpg

音場型設置例として

設置(2)a.jpg

次回はいよいよ計測に取りかかりたいと思います。
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2024年02月22日

「これならできる特選スピーカーユニット 2023年版 ウェブコー編」SP製作 3

暖かくなったと思ったら、再び冬モード、雨も続いて気の滅入る一週間です。

先週末から塗装作業に。

塗装後(1)b.jpg

脚部作業中はまだ曇りがちの天候だったので、乾燥に時間をとってまずまず上手く塗れたのですが、、、
メインキャビの時は雨がちになり、ちゃんと乾燥しないまま上塗りを重ねたせいで、塗装ムラがでてしまいました。

塗装後(2)a.jpg

特に白なので目立ちます。
が、塗料もなくなってしまい、とりあえずここで断念。後々サンドペーパーで磨きなおそうと思います。

気をとり直し、この状態で端子とWavecorユニット「FR085CU03」を取り付けました。

ユニット取付(1)a.jpg

左右のフランジのような抑えは脚部取付のためのストッパーです。

ユニット取付(2)a.jpg

脚部を取り付ける前に結線チェックを兼ねて、メインキャビだけで音出ししてみます。

無事に鳴りました。フルレンジはプラスマイナス結線さえ間違えなければ、大きな問題はないですね。

折角なので、周波数特性をピンクノイズで「Audio Frequency Analyzer」アプリを使って簡単に測ってみました。

まずは、比較のために基準としている FOSTEX「FE83E」で。

計測(FE83)a.jpg

かなり昔のユニットですが、特性はこんな感じです。

特性(FE83)a.PNG

2kHzと2.5kHzに差はありますが、中域フラットでなだらかな特性です。

同じ条件で、今回のWavecorユニット「FR085CU03」では!

計測(FR085CU03)a.jpg

高域はメーカー音圧周波数特性の通り、8kHzくらいから下がり20kHzにかけてピークがあります。

特性(FR085CU03)a.PNG

200Hz-2kHzは綺麗にフラットです。160Hzにピークが出ているのは円筒ダクトの特性でしょう。計算上はダクト共振周波数が70Hzあたりになるはずなんですが、ダクト径が小さいので密閉に近い動作をしているのかもしれません。

しばらくメインキャビだけで色々音を鳴らしてエージングした後、脚部と接合し特性が変わるのかどうか確認してみることにしてみます。
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2024年02月17日

「これならできる特選スピーカーユニット 2023年版 ウェブコー編」SP製作 2

前回、足りない部材を補給した後で、思わぬ怪我をしてしまった上に、足を庇いながら歩いたせいか軽いぎっくり腰になってしまいました。年々身体(運動神経)が衰えてきているような。

めげずに組立作業にかかります。

ユニット取付板(100x100mm)に側板、底板を張り付けます。この時点では側板を貫く円筒はまだ接着せずに、単なる位置決めです。円筒中央にΦ12mmの穴を開けました。切削が汚いですが箱を閉じてしまえば見えないので。

スピーカー端子は底板から出すことにします。

メインキャビ構造.jpg

吸音材は裏板部分に、余った分を円筒に巻きました。

メインキャビ吸音材.jpg

この時点で円筒を左右円盤で固定しています。

次は脚部、同じ形状を4セット分作ります。高さ600mm、幅60mm、奥行147mmです。

脚部構造(1).jpg

因みに板厚は12mm。

組立は前面板に側板→天板→底板→側板の順に貼り付けていくので、難しくはありません。

ただ、今回板取計算を失敗したせいで、脚部裏板分を同じMDF材から取れませんでした。仕方なく裏板のみ板厚10mmの杉材になっています。補強材の入れ方も不細工になってしまいました。これもどうせ隠れるのでいいでしょう。

脚部構造(2).jpg

吸音材は前面に軽く敷いています。

メインキャビと(ダクト位置は裏になりますが)脚部を並べてこんな感じのスタイルになることを期待して。メインキャビ前後板には5.5mmのMDFを貼りつけて鉋で斜めカットしています。ちょっとは見た目良くなりそうですかね。

全体構造.jpg

これで組立ほぼ完成です。

組立完成(1).jpg

6cmユニットとしては思ったより大きな作品になってしまいました。

組立完成(2).jpg

今回は塗装もして最後にメインキャビと脚部を接合しようと思っています。(次回に続く)
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posted by toons at 23:57| Comment(0) | オーディオ

2024年02月13日

京都市立芸術大学 新キャンパス

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京都駅のすぐ東に位置する崇仁地区にある「京都市立芸術大学」、日本最古の芸術系大学です。新キャンパスが昨年10月1日に正式オープンしました。同じ敷地内には京都市立美術工芸高校も移転してきています。

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キャンパス移転が2014年に正式発表されて約10年、コロナ禍の中での工事中は時折通りかかることはありましたが、この地に京都市芸大がやって来るイメージがどうも掴めないままでした。

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どのような感じに出来上がっているのか興味深くて、昨日ちょっと寄ってみました。ベージュを基調とした落ち着いた感じの建物、木材のアクセントも効いています。

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卒業制作の追い込みですこし活気があるかもと思っていましたが、キャンパスを歩いている学生は数えるほど。もうすでに完成した学生も多いのでしょうか。

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来週からは美術学部及び音楽学部の入学試験でキャンパスの入構制限があるそうです。下見にきている女子高生も見かけました、受験がんばってね!
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posted by toons at 20:35| Comment(0) | カルチャー

2024年02月12日

「これならできる特選スピーカーユニット 2023年版 ウェブコー編」SP製作 1

年明けから大きな地震が発生し、いまだに災害の傷も癒えないまま1カ月以上が過ぎました。まだまだ余震もあり不安も多いことと思いますが、一日も早い復旧と被災された方々が日常生活に戻れるようお祈りいたしております。

Wavecor社『FR085CU03』のユニットを入手してからも1カ月以上が経ちましたが、眺めながらもどうしようかと中々よいアイデアが浮かびませんでした。
ある時、近所のホームセンターに立ち寄り、木材売り場で物色していると、下の写真のような円筒状の木材を見つけました。これをダクトに利用してみようと早速購入!

ダクト用円筒a.jpg

サイズは長さ200mm、外径約Φ25mm、内径約Φ13mm

キャビ容積1.2Lとして大まかな計算でfd=70Hz、f0c=140Hzくらいで設計できそうかなと目星をつけることに。

単純な小型バスレフでは面白みがないので、円筒ダクトをキャビ側板を貫くようにしてダクト両サイドをなにかで支えるような形状にすることでポンチ絵を考えてみました。

凡その設計を終え、板取し木材カット。

メインキャビ部材a.jpg

メインキャビの1チャネル分の部材、外径寸法124mmx124mmx148mmで、容量約1.2L

左右側板にダクト円筒を貫くための穴を開けてます。後でダクト円筒の中央箇所に10mm程度の穴を開ける予定です。

次に左右を支える脚部の裁断を行っていた最中、あっと気がついてしまいます。

「片チャン分のMDFしか買ってない!」

脚部部材a.jpg

この写真が1チャネル分。きちんと板取図面を書かなかったので、前後板、側板、天底板2セットあればいいと。思い込みとは怖いです。

またホームセンターに走る羽目に、そして出費に。製作は落ち着いてかからなければ。(次回に続く)
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posted by toons at 22:35| Comment(0) | オーディオ

2024年02月04日

京の節分祭 - 吉田神社

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京の節分祭、様々な神社でおこなわれますが、コロナ禍も落ち着いてきたので、ひさびさに吉田神社に参拝してきました。

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京都大学キャンパスの東側にある吉田山にある古い神社です。節分あたりはいつも一番寒い時期ですが、今年はやはり暖冬なのか、なんとか我慢できる寒さでした。

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吉田神社は京都御所の北東、鬼門にあたり、京の守護神として有名です。この日ばかりは京都市内から多くの参拝者が殺到します。長い参道に露店がずらっと出店しているので、お祭気分を満喫できます。

とはいえ、コロナ前に比べると混雑は緩い感じでした。今年の節分が週末で、たどり着いた時間も20時過ぎだったせいでしょうか!?

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本殿参拝後のお愉しみ、松井酒造・富士千歳の新酒しぼりたて!
すこし樽香を伴ったフレッシュなお酒で一気にお腹が暖まりました。さらに濁り酒もお代わりしてしまいました。こちらのほうがさらに美味しかったかな。

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この後、本社の奥にある大元宮、節分詣の発祥の社へ!
全国各地の神様が分祀されているので、能登半島地震で被災された地域の神様にもお参りしてきました。

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吉田山から京都市内の夜景。真西方向の街並みなので、ちょっと街灯りも少ないですね。

帰り道に、小雨が降りはじめたので、はやく雪になれと願ってしまったのは不遜なことだったのでしょうか。
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posted by toons at 00:04| Comment(0) | カルチャー