2018年11月08日

サンスイ AU-5500 レストア(8)

au5500-blockcon-replaced.jpg

メイン電源のブロックコンデンサを換装しました。

オリジナルのブロックコンデンサは、エルナーの4700uF 50V(サイズ:φ35×70mm)でした。

このアンプのメイン電源部のレイアウトがよかったためか、ブロックコンデンサの温度上昇は最小限に抑えられていて、熱ストレスにあまり曝されていないようでした。

外見上はとくに膨張や電解液の漏出などの異常は見られないのですが、やはり電解コンデンサは経年劣化しやすい電子部品ですので換装することにしました。

au5500-blockcon-original.jpg

とりはずしてみると、2本のブロックコンデンサは手に持った感じが微妙に異なります。そこで、それぞれの重量を測ってみました。

すると、約10%もの重量差があることがわかりました。43年もの歳月で、内部電解液がかなり蒸発(ドライアップ)してきているようです。静電容量も減少している可能性が高いですね。念のために換装してみてよかったと思います。

au5500-blockcon-original-elna-2.jpg

au5500-blockcon-original-elna-1.jpg

今回交換したブロックコンデンサは、ニチコンのオーディオ用電解コンデンサ・KGシリーズの「Super Through」4700uF 63V(サイズ:φ35×50mm)です。ゴールドとブラックのスリーブで精悍な外観です。

現在の大容量電解コンデンサはとても小型化されており、このアンプに搭載するにはサイズが合わないものばかりで、部品選定にとても苦労しました。

au5500-blockcon-KG-4700uF.jpg

# ニチコン KG ”Super Through” 4700μF 63V
●定格電圧:63V
●定格静電容量:4700μF (許容差±20%)
●ケースサイズ:φ35×50mm
●損失角の正接 (tanδ):0.22
●定格リップル電流:4.5 Arms
●カテゴリ温度範囲:−40 〜 +85℃
●高温無負荷特性:85℃ 1000時間

もっと大容量にしてもいいのですが、ラッシュカレントの問題やサウンドバランスが崩れる可能性も高いので、同一容量にしておきました。

このブロックコンデンサは、オーディオ向けの低抵抗電極箔を採用しており、大容量のわりにtanδが小さいのでかなり期待できます。

さっそく電源投入して音出しをしてみたところ、周波数レンジが狭くて鈍い音で失敗したかと思いましたが、約3時間くらいで徐々にクリアになっていき、低域もしっかり出るようになりました。

やはり新しい電解コンデンサですし、半田付けによる熱ストレスもあるので、内部の陽極酸化皮膜が自己回復するまで数十時間程度の通電(エージング)が必要です。

本領を発揮するのはこれからだと思いますが、今回交換した部品のなかではコストが一番高いものですので、音質改善に効いて欲しいものです。


#備考:電解コンデンサの寿命
アルミ電解コンデンサの寿命は温度に依存して「アレニウスの法則」と呼ばれる化学反応速度論に従います。これは「10℃2倍則」とも呼ばれ、使用温度が10℃上がれば寿命は2分の1、 10℃下がれば寿命は2倍になるという法則です。

今回採用した電解コンデンサでは高温無負荷特性が85℃ 1000時間ですから、35℃で動作させれば32000時間の寿命が期待できます。つまり毎日8時間通電しても、約11年は利用できます。

au5500-blockcon-kg-temp.jpg

#追記:ブロックコンデンサの使用温度の実測
通常再生時でのブロックコンデンサの使用温度を計測してみました。室温21℃で、ブロックコンデンサ上面での温度は30℃でした。

室温+約10℃みたいですので、今年の夏のような猛暑であれば、50℃付近まで上昇する可能性があります。真夏は冷房しますし、真冬になれば気温は10℃以下でしょうがやはり暖房するでしょうから、やはり現在と変わらないかもしれません。

おそらく年間平均30℃くらいというのが、AU-5500でのブロックコンデンサの使用温度だと考えられます。したがって、毎日8時間使っても約15年は持ちそうですね!

posted by toons at 07:32| Comment(0) | サウンド
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