2019年06月12日

Nakamichi CA-5 プリアンプ修理(1)

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Nakamichi CA-5 プリアンプの修復作業中。

ナカミチのサービスマニュアル(英語版)を入手できました。

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回路図をみてみると、やはりシンプルなディスクリート構成のようです。
1980年代半ばの製品ですので、表面実装部品も使われておらず、融点の高い無鉛ハンダでもないので、部品交換は容易そうです。

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メイン基板のフラットアンプ部をまずチェックしましたが、正常に動作していましたので安心しました。やはり部品点数も少なく、ゆったりした部品配置のため、電子部品に熱ストレスがほとんど加わっていないせいだと思われます。

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つづいて、左チャネルの音が途切れる原因を調べたところ、メインボリューム(NOBLE : 帝国通信工業)は正常ですが、バランスボリューム(ALPS : アルプス電気)はとても不安定でセンター位置でも接触不良を起こしていることが判明しました。

一旦、バランスボリュームをバイパスして、入力信号をメインボリュームにダイレクトに流してみたところ、なんら問題なく再生できるようになりました。信号系コネクタの接点洗浄もおこないましたので、音の鮮度も高くなりました。

nakamichi-ca5-res-1.jpg

不具合のバランスボリュームはALPS製ミニデントボリューム(RK271シリーズ、MNタイプ)でした。同じ抵抗値ではありませんが、現在も製造中のオーディオ用部品のため簡単に入手できました。左右バランス調整用のMNタイプのボリューム部品はほとんど現存していないので、アルプス電気の姿勢には本当に頭が下がります。

nakamichi-ca5-vr-mn.jpg

バランスボリュームを部品交換したところ、音切れやノイズもなくなり、オリジナルに近いであろうサウンドで鳴っています。

たぶんフラットアンプ部での音作りだと思いますが、低域がとてもしっかりした濃密なサウンドで、解像度もかなり高いですね。ナカミチのカセットデッキで聴けるようなリアルなモニターサウンドとはすこし違っています。

接続したパワーアンプが純A級アンプということもありますが、リファレンスのフルデジタルアンプのクールサウンドとは真逆のホットなサウンドイメージです。

メインボリュームやスイッチ類の接点クリーニングはすこし面倒なので、この状態でしばらくエージングしてみます。

そのうち、細部をチェックしながら、サウンドをブラッシュアップしていこうと思います。

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2019年05月16日

Nakamichi CA-5 ! ... CA-50 !?

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Nakamichi CA-5(プリアンプ)を入手!

アナログオーディオの断捨離を図っている友人から頂戴しました。

すこし前に、不具合症状が出始めて音が出ないことがあるとのこと、修復をトライしてみようと思います。

Nakamichi CA-5は、1980年後半にナカミチがセパレートアンプに本格参入したときの製品です。バブル景気が始まり、オーディオ分野も黄金時代を迎えて、ナカミチが絶好調だった時期に当たります。

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このプリアンプ、日本向けにはCA-50という製品名ですが、北米向けにCA-5、欧州向けにCA-5Eという型番でリリースされていたようです。海外仕様はAC電源がケーブル直出しではなく、3Pインレットタイプです。
また、上位機種にはCA-70があり、対となるパワーアンプにはPA-70/PA-50という製品があります。

ナカミチ独自開発ではなく、米国 Threshold(スレッショルド)社と技術提携して、これらのアンプを製品化したようです。

つまり、オーディオアンプの鬼才、ネルソン・パス氏が回路設計した製品です。同氏が、PASS LABS(パスラボ)を立ち上げる直前の時期にデザインされたようで、フロントパネルが超シンプルで個性的なのも納得できます。

ca-5a_4.jpg

スレッショルドといえば、1980年代に米国ではマークレビンソン、クレルなどと並びようなハイエンド・オーディオメーカーとして、確固たる地位を築き上げていたのですが、、、
日本では輸入業社が積極的なプロモーションをしなかったのか、あまり注目されるブランドではなかったようです。

この個体、とても丁寧に扱われていたようで、フロントパネルにもほとんど傷がありません。

まあ問題は中身なので、電源を投入する前に開腹してみたところ、、、

ca-5a_2.jpg

回路レイアウトは、”Threshold FET nine”(同時期の製品)によく似た感じで、日本製品では滅多に見られないようなシンプルで整然としたPCBデザインです。

密閉構造のために内部にはホコリひとつ入っていません。
経年変化でとくに劣化しやすい電子部品である電解コンデンサも膨れ上がったものはないようです。熱設計もしっかりしていたんでしょうね、40年近い歳月が経っているとは到底思えません。

回路をよく観察してみると、フル・デスクリート構成でオペアンプやICの類は一切使われていません。フォノイコライザーアンプとフラットアンプのみの超シンプルな回路構成。左右チャネル回路が純銅バスバーで完全分離されていて、サウンドも相当期待できそうです。

さらに驚くのが、基板中心付近のフラットアンプと右側のフォノイコライザーアンプの回路にある6個の巨大コンデンサ。実はフィルムコンデンサで、どうもカップリング用途に使われています!

Nakamichi CA-5は、フォノステージに相当な力点をおき、さらに選別された電子部品と巧みな回路デザインで、"Excellence from Simplicity !" を標榜したプリアンプだったようです。上位機種CA-70や後継機種CA-50IIなどは複雑な回路構成&多機能ですので、まったく別物といえます。

ca-5a_6.jpg

この状態で電源投入して、しばらく内部部品の様子を見てみましたが、発熱したり振動したりしている部品はありませんでした。ライン出力の電圧を計測してみましたが、DC漏れは無いようです。

それではと、CDプレーヤーとパワーアンプを接続して音楽再生させてみましたが、、、

その再生音は、左チャネルがノイズ混じりで出力され、右チャネルもたまに途切れたりします。すこし深刻かもしれませんが、じっくり修復していこうと思います。

参考:製品カタログ情報

Nak-ca5-catlog.jpg

CA-5E.jpg

CA-5E-spec.jpg
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2019年04月09日

Stereo(2014/8) Fostex 2way & DigiFi No.19 Olasonic SP - その3

部屋の片隅に吸音材が・・・入れ忘れてました。

前回レポート(その2)で記載した周波数特性はボックスの素の特性です。妙にベースが弾むなとは思ってたんですが、、、

取り急ぎ、吸音材を詰め込んで、RTAアプリ「Audio Frequency Analyzer」で再計測しました。

# Tw-non:フルレンジのみ
 前回計測とすこしレベルが違うので同列に比較できませんが、少しfdが下がっているような気がします。

Tw-non(absorb).png

# Tw-2.2P:2.2μF 正相

Tw-2.2P(absorb).png

# Tw-2.2R:2.2μF 逆相
 16kHzは逆相の方が伸びているような感じ。聴感上も逆相の方が良さそうです。

Tw-2.2R(absorb).png
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Stereo(2014/8) Fostex 2way & DigiFi No.19 Olasonic SP - その2

Fostex+Olasonic-new.JPG

Stereo(2014/8) Fostex 2way のツィータとDigiFi No.19 Olasonicフルレンジ とのコラボSPの調整中です。

ちなみに、これが以前のFostex 2wayのオリジナルです。

Fostex_2way_org.jpg

新しいSPでは、外見上、前面バッフルを2重にしてフルレンジ2個取り付けました。その他は、組立精度が悪く直置きするとガタがあったため、底板にリベット状の金属を打ち込み3点支持としました。

RTAアプリ「Audio Frequency Analyzer」で、周波数特性を測定してみました。(いづれも軸上1mの位置にて測定、ピンクノイズ)

@ Tw-non:Olasonicフルレンジのみの特性(8Ω並列→4Ω)
 バスレフチューニングは120Hz付近、ほぼ計算通りです。もう少し吸音材を増やしてみてもいいかも。空芯コイル0.18mHで高域をカットしてますが、ユニット固有の10k-12kHzのピークが残っています。

Tw-non.PNG

@ Tw-1.0/1.5/2.2/3.3:Fostexツィーターを各コンデンサで低域カット(正相)
 コンデンサの容量を増やすと、4k-8kHzのディップが無くなっていくのが分かります。3.3μFの特性が良さそうに見えますが、聴感上はハイ上がりで耳につく感じが残っています。フルレンジのピークと干渉しているのかも。ということで、仮として2.2μFで、しばらくエージングします。

# C=1.0uF
Tw-1.0.PNG

# C=1.5 uF
Tw-1.5.PNG

# C=2.2uF
Tw-2.2.PNG

# C=3.3uF
Tw-3.3.PNG
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2019年04月08日

Stereo(2014/8) Fostex 2way、DigiFi No.19 Olasonic SP のコラボ

FostexTw+OlasonicFR.jpg

Stereo(2014.8月)の付録、Fostex2wayスピーカーユニットのウーファー側が破損したのでどうしようか悩んでいました。

(終わっていますが)春休みの工作として、DigiFi No.19のオルソニックのフルレンジと組合せてみました。

ネットワークは-6dB/octとして、フルレンジ側を4kHzのLPF、ツィータ側を6kHzのHPFと仮にしています。

ツィータ側は調整が効くのでこれから合わせ込みです。

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2019年03月06日

MacのBluetoothオーディオ、「aptX」接続してみました!その周波数特性は!?

最近のmacOSでは、Bluetoothオーディオのコーデックとして、SBCとAAC、および、aptXをサポートしています。aptX-HDやaptX-LLなどは非搭載なのは残念です。(QualcommとAppleとの係争がはやく収束してほしいものです。)

通常、Bluetoothオーディオでは、ユーザーが主体的にオーディオコーデックを選択するのは困難で、Bluetooth機器の相互能力に応じて自動で選ばれてしまいます。

そこで裏技というか、それを設定変更できる方法があります。開発者用なのですが、macOSにはBluetoothオーディオのコントロール機能が提供されています。

このためには、Appleのデベロッパーアカウントを取得して、開発者向けダウンロードページにアクセスし、ハードウェア関連ツール「Additional Tools for Xcode」を入手してください。

このツールに含まれる「Bluetooth Explorer」というアプリを起動すると、Bluetoothデバイスを直接コントロールすることができます。

「Bluetooth Explorer」のメニューバーで、”Tools”/”Audio Options”を選択すると設定パネルがでてきます。Codecsで、”Force use of aptX”オプションをチェックします。この際、Bluetooth接続はOFFの状態にしておいてください。Bluetoothデバイスが起動状態では反映されません。

次回の接続から設定は有効になり、BluetoothヘッドホンやイヤホンにaptXで強制的に接続することができます。(当然、接続先機器がapt-X対応していることが前提ですが。)

このツールを使えば、AACやSBCを強制的に選択したり、排除したりすることもできますので、オーディオコーデックを主体的に選ぶことができます。

BE-AudioOptions-2.png

MacBook Proを送信側、Anker ”SoundSync A3341” Bluetoothアダプタを受信側にして、BluetoothオーディオをaptXで伝送させてみました。
macOSはMojave 10.14.3、MacBook Proはすこし古い機種なのでBluetooth 4.0です。

オーディオコーデックの接続状態はつぎのようなモニタ表示が可能です。atpXで接続されているのがわかりますね。

BE-Audio-2.png

以前、iPhone/iPadのBluetoothオーディオでのAACの周波数特性解析結果をアップしましたが、同様な実験をaptXでもおこなってみました。

<ホワイトノイズ:Bluetooth通信経由の受信オーディオ信号、aptX、44.1kHzサンプリング、デジタル出力>
whitenoise-MBP-atpX.png

上図は、MacBook ProのiTunesでホワイトノイズを再生させ、aptXでBluetooth伝送したときのサウンドデータをFFT解析した結果です。(画像をクリックすると拡大表示できます。)

aptXでは20kHzまでフラットだろうと予想していたのですが、、、
最高域で20kHzまでは伸びておらず、ハイカットフィルタがかかったような周波数特性でした。約19KHz以上の周波数はカットされて出ていないようです。(赤ラインが周波数特性に相当します。緑ラインはFFT瞬間値です。)

なお、"SoundSync A3341"からはデジタル出力しているので、受信側機器のアナログ回路特性に起因はしていません。

おそらく、Bluetooth 4.0接続の伝送ビットレート制約のせいでaptXエンコード時に周波数帯域制限をおこなう必要があったんだと思います。オーディオレートとしては384kbpsでているようなんですが、、、
あるいは、受信側の"SoundSync A3341"の機器自体の問題なのかもしれません。

<ホワイトノイズ:MacBook Pro、iTunes再生、アナログ出力>
whitenoise-MBP-analog-outputpng

MacBookProからのアナログオーディオ出力は上図のような周波数特性でした。こちらは20kHz超までフラットですが、aptXでは高域カットされているのがわかると思います。
なお、可聴帯域の周波数特性がすこし波打っているのは、どうも実験時にiTunesのサウンドイコライザが入っていたようです。いづれも可聴帯域は同じ特性のようですので比較上は問題ないと思います。

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2019年02月17日

iPhone/iPadのBluetoothオーディオ - AACの周波数特性

soundsync-6.jpg

先日入手したAnker「Soundsync A3341」Bluetoothトランスミッター&レシーバーは、Bluetooth通信チップに「Qualcomm CSR8675」という最新デバイスを採用しており、最新のBluetooth 5.0対応およびaptX-HD/LLオーディオコーデックも搭載しています。

残念ながら、iPhone/iPadなどApple製品においてBluetoothオーディオではAACとSBCしか対応していません。

音がいいと言われているaptX系コーデックはQualcommが保有する技術なのですが、、、両社が係争中のために、Apple製品に搭載されている無線通信デバイスではQualcommが排除されているらしいです。

とりあえず、手元にあったiPhone6sおよびiPad mini2(いづれもiOS12.1.4)でBluetoothオーディオを試してみました。

iPhone6s/iPad mini2を送信側、Soundsyncを受信側としてBluetooth接続すると、Musicアプリの音楽再生が問題なく通信できることを確認しました。

とくに音が途切れるようなこともなく、ボリュームも遠隔コントロールできます。再生音質は事前の想定よりはいい感じですね。

受信側のSoundsyncでは、AACの選択ステータスが表示(電源ボタンのところにあるLEDの点滅表示)され、さらに光デジタル接続するとサンプリングレート44.1kHzでデジタルデータ出力されていることも確認できました。
他社製品ではどんなオーディオコーデックが選択されているか表示されないので、Soundsyncはとてもいい製品だと思います。

オリジナル音楽データは44.1kHzサンプリングのALAC(Apple Lossless)でしたが、送信端末側でBluetooth送信処理時にAACで再エンコードされているようです。

もし音楽データがAACフォーマットの場合でも、いったんリニアPCMにデコードされ、他のサウンドデータ(着信や通知音など)とミキシングされて再びAACエンコードされるようです。

#iPhone/iPadでのBluetooth通信・オーディオ接続状態
・オーディオコーデック:AAC
・サンプリングレート:44.1kHz

そこで、このBluetooth通信でのAACコーデック時のオーディオ信号が、どのような周波数特性をもつのか調べてみました。

ノイズ生成アプリ「Colored Noise Generator」を起動させてホワイトノイズ信号を生成して無線送信し、SoundsyncでBluetooht受信したデジタルデータを評価してみました。

下記は、全周波数帯域でフラットな特性をもつホワイトノイズでのFFTによるテスト解析結果です。(画像をクリックすると拡大表示できます。)

赤ラインがFFTのピークホールドで、サウンドデータの周波数特性に相当します。緑ラインはホワイトノイズの瞬間値になります。

<ホワイトノイズ:送信側アナログ出力>
CNG-white-analogout-3.png

<ホワイトノイズ:Bluetooth通信経由の受信オーディオ信号、AAC、44.1kHzサンプリング、デジタル出力>
CNG-white-bt-opt-3.png

いづれの周波数特性とも低周波から高周波までほぼフラットでかなり優秀な特性です。

しかし、FFT解析結果を比較すると、Bluetooth接続した受信側オーディオ信号には、19kHz以上の周波数成分がまったく出力されていません。

オーディオ信号生成アプリ「Audio Tone Generator」でサイン波スィープ信号や19kHz以上のサイン波を出力して試しましたが、まったく同様の結果でした。

結論として、Bluetooth送信時に、サウンドデータの周波数帯域が制限されているようです。つまり、AACの再エンコードの際に、急峻なデジタルフィルタで高周波帯域をカットしているものと推察されます。

残念ながら、Bluetooth 4.x接続において、現状のAACのオーディオ特性にはすこし制約があるようですね。(iPhone6sはBluetooth 4.2、iPad mini2はBluetooth 4.0)

おそらく無線通信伝送レートの制約で、AACエンコードのビットレート(おそらく、128-192kbps程度)に制限がかかり、オリジナルサウンドデータから高周波成分をカットしたようなAACエンコードをおこなう必要があるためだと思います。

ちなみに、iTunesで、DENONのAudio Check CD(COCQ-83805)のホワイトノイズ(20-20kHz)をAAC-192kbpsエンコードでリッピングしたデータのFFT解析結果をつぎの示します。やはり、19kHzを少し超えたあたりから、高周波成分が急峻にカットオフされています。

<ホワイトノイズ:iTunes AAC-192kbpsエンコードデータ、MacBookProアナログ出力>
white-noise-iTunes-AAC-192kbps-2.png

また、AAC-128kbpsエンコードでは約18kHzで高周波成分が急峻にカットオフされていました。つまり、AACエンコード時のビットレートによってカットオフ周波数はかなり異なるということみたいです。

無理に高周波成分の再現性にこだわって変なノイズ成分が混入するよりは、聴感上で聴きやすい音質にチューニングするためでしょう。

Bluetooth自体はかなり制約の多い規格なので、多くを求めるのは難しそうですね。Bluetooth 5.0対応端末が手元にないので未確認ですが、Bluetooth接続ではaptX-HD/LLやLDACを使えるAndroid端末にはサウンドクオリティでかなわないと思います。AppleとQualcommとの特許係争が早く収束して、上位オーディオコーデック規格も使えるようにしてほしいものです。

やはり、Apple製品の場合、本格的なオーディオ品質を云々いうにはBluetoothオーディオではなく、AirPlay 2をつかうべきなんでしょうね。WiFiなので、室内環境しか適用できないのは残念ですが、、、

#追記(2/18/2019)
Bluetoothの最大通信速度、データスループット、受信側AACデコーダ能力など各種条件に応じて、相互接続の伝送パラメータが決まるので、送信側・受信側のいづれでAACエンコード条件に制約を生じているのかはっきりしません。

Bluetooth 4.xの物理層での最大通信速度は1Mbps、データスループットの理論値はver4.0で305kbps、ver4.2で805kbpsです。ということで、もうすこしAACのビットレートは上げられそうな感じなのですが、、、

また、Bluetooth v5.0では、最大通信速度が2Mbpsに拡大され、データスループットも1.43Mbpsとアップしていますので今後期待できそうです。

#追記(2/20/2019)
ホワイトノイズによる各周波数特性グラフをすこし見やすいものに変更しました。画像クリックすると拡大表示できます。

参考までに、サイン波の周波数応答を測った解析結果を以下に示します。やはり、Bluetooth経由の受信オーディオ信号では、19kHzで -40dB以上低くなり、20kHzでは -80dBとほとんど出ていませんね。

<サイン波:送信側アナログ出力>
ATG-sine-anlogout.png

<サイン波:Bluetooth通信経由の受信オーディオ信号、AAC、44.1kHzサンプリング、デジタル出力>
ATG-sine-bt-opt.png

#追記(4/24/2019)
4/16付で、Apple社より「QualcommとApple、
すべての訴訟の取り下げで合意」というプレスリリースがありました。
これでAppleはQualcommのチップを堂々と採用できますし、QualcommもAACなどApple保有技術のサポートが可能になるものと思われます。Appleユーザーにとっては今後の5G対応のこともありますし、とても喜ばしい限りです。

プレスリリース内容:
・合意は、Appleの契約メーカーとの間で係争中のものを含む継続中のすべての訴訟を終了させる
・両社は全世界特許実施許諾合意とチップセット供給合意に至った
カリフォルニア州サンディエゴおよびクパティーノ、QualcommとAppleは本日、全世界で両社間で争われているすべての訴訟を取り下げることで合意したと発表しました。合意にはAppleからQualcommへの支払いが含まれています。両社はまた、2019年4月1日を発効日とする6年間の実施許諾合意に至り、これには2年間の延長オプションと複数年にわたるチップセット供給合意が含まれています。
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2019年02月14日

iPhone/iPadのBluetooth接続用にAnker "Soundsync"を入手!

SoundSync-1.jpg

Anker「Soundsync A3341」、Bluetooth5.0 トランスミッター&レシーバーを入手しました。

Bluetooth通信で送受信可能なオーディオインタフェース機器で、受信(RXモード)と送信(TXモード)のいづれかを選択して動作させることができます。また、リチウムポリマー電池を内蔵しているので、モバイル利用も可能です。

オーディオのワイヤレス接続が当たり前になってきていますので、iPhone/iPadと接続したときのサウンド・パフォーマンスを知りたいと思っています。
Bluetoothヘッドホンなどでは固有の音作りがされていますので、このようなオーディオインタフェース機器のほうが素性がわかりやすいと考えての選択です。

製品の質感はかなりいいと思いますが、すこし大きくて重いので、モバイル向けにはどうかなと感じました。

SoundSync-4.jpg

また、アナログ入出力(AUX)に加えて、光デジタル入出力(SPDIF)も備えていますので、デジタルオーディオ接続ができるのはオーディオファンには魅力的な仕様です。

Bluetoothオーディオのサウンドクオリティを判断するのに役立ちそうです。

SoundSync-2.jpg

Ankerの製品パッケージは、Apple製品のようなシンプルで品の良さを感じます。

簡易的なものですが、光デジタルケーブル、Micro USBケーブル、ステレオミニピンケーブル、ミニピン-RCA変換ケーブルも付属しています。

この機器はAACにも対応していますので、iPhone/iPadなどApple製品でのワイアレス・オーディオがAACで試せると思って調達しました。送信(TXモード)でAACが非対応と、すこし残念な仕様となっています。

すこし使ってみた感じでは、実際のスペック上で、すこし制約がありそうな感じです。その件を含め、また次回レポートしたいと思います。

参考までに、主な製品仕様を下記に示します。

・メーカ:Anker
・製品名:Soundsync A3341
・機能:Bluetooth オーディオ・トランスミッター/レシーバー 
・規格:Bluetooth V5.0
・通信周波数:2.402 - 2.480GHz
・Bluetonthチップ:Qualcomm CSR8675(Bluetooth Audio SoC)
・内蔵バッテリー:リチウムポリマーバッテリー、350mAh
・動作時間:RXモード:約17時間(AUX)、約13時間(SPDIF)
      TXモード:約25時間(AUX)、約20時間(SPDIF)
・スタンバイ時間:120時間(RXモード)
・充電時間:2時間
・対応プロファイル:RXモード:A2DP、AVRCP
          TXモード:A2DP
・対応コーデック :RXモード:aptTX-HD、apt-LL、apt、SBC、AAC
          TXモード:aptX-HD、apt-LL、apt、SBC
・外部インタフェース:アナログ入出力(AUX:3.5mmステレオミニピン)、
 光デジタル入力ポート(SPDIF)、光デジタル入力ポート(SPDIF)、
 電源ポート(microUSB-5V)
・スイッチ:RX/TXモード切り替えスイッチ、電源&機器ペアリング・スイッチ
・ステータスLED:パワーON、充電状態、機器ペアリングの状態、
 選択コーデックの表示
・ペアリング機能:最大2台までの同時接続が可能。
・サイズ:70 x 70 x 22mm
・重さ:51.5g

備考:A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)
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2019年02月06日

地下鉄の音 - Bill Evans "Waltz for Debby"

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ビル・エバンス (Bill Evans) トリオのライブ・アルバム "Waltz for Debby"

ビル・エヴァンスの大ファンとして、とても大好きな特別なアルバムです。

1961年6月25日のレコーディングですが、その11日後の7月6日にベーシストのスコット・ラファロ (Scott LaFaro) が交通事故で他界したため、貴重なライブ録音&名盤中の名盤として有名です。

同日録音の"Sunday at Village Vanguard"は、別のテイクをセレクトして最初にリリースされた姉妹アルバムです。

ニューヨーク7番街にある名門ジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードのライブシーンが、客席の会話や食器の擦れ合う音まで収録されていて、とても臨場感に溢れています。

ビル・エヴァンスはまだ知名度も高くなく、さらに日曜日だったので、客の入りがまばらだったせいもありますが、、、  おかげで、録音レベルが若干高めなのかも。

WaltzforDebby-4s.jpg

最初の"My Foolish Heart"は映画音楽を美しいジャズバラードに昇華させたロマンチックな演奏でお気に入り一曲です。

実はこのアルバム、ヴィレッジ・ヴァンガードのごく近くを通る地下鉄の音が特定の曲でかすかに聞こえます。

この音、オーディオ・マニアやビル・エバンス・ファンの間で長らく噂されてきました。ということで、久々にじっくりと確認してみました。

地下鉄の音が入っているトラックの該当箇所はつぎのとおり。

1. My Foolish Heart | 発生時間 1:00〜1:04、2:52〜2:55
2. Waltz for Debby (take 2) | 発生時間 6:34
4. My Romance (take1) | 発生時間 4:55〜5:00
5. Some Other Time | 発生時間 00:14〜00:19, 3:55〜3:58, 4:12〜4:17
10. I Loves You, Porgy | 発生時間 2:09〜2:12, 4:38〜4:42

主に右チャネルに入っています。トリオ演奏とは関係なく、電車が地下トンネルを通過する低周波音で、暗騒音レベルも上がって聴こえてきます。
お店が地下1階にあるので、低周波音が透過しやすいのでしょう。

どう聴こえるかはオーディオシステム次第ですが、この騒音の周波数は30〜40Hzで、低音再生能力のサウンドチェックに活用できますね。(CD、SACD、LPなどメディアの種類、マスタリングの違いなどによって、騒音時間は微妙に前後するかもしれません。追加トラックの曲順が異なるバージョンもあります。)

WaltzforDebby-LP-2.jpg

おまけで、LPの裏面、Joe Goldbergによるオリジナル・ライナーノーツを!

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2019年01月09日

TRIO KA-8100 リターンズ

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物置に長らく眠っていたビンテージアンプ、TRIO「KA-8100」インテグレーテッドアンプを取り出してきました。

昨年、サンスイ「AU-5500」を修復してすこし自信がついたので、このアンプでもトライしてみようと思っています。

ちなみに、トリオ(TRIO、海外ブランド:KENWOOD)はかつてあった老舗オーディオ専業メーカーで、1960年代から御三家として、山水、パイオニアとともに有名でした。もともと無線通信機器を製造しており、高級FMチューナーでも有名でした。創立者が1972年に社内クーデターで会社を追われ、ケンソニック(現在のアキュフェーズ)を創業しています。現在は、2008年にケンウッド(1986年に社名変更)と日本ビクターが経営統合して、JVC ケンウッド(JVC KENWOOD)になっています。

TRIO「KA-8100」は41年前の1978年に発売された製品です。
ハイスピードDCインテグレーテッドアンプと称して、高スルーレート、ワイドバンドな周波数特性など物理特性重視になった時期の製品です。このシリーズには他にKA-9900、KA-8700、KA-8300があり、このアンプは一番ローエンド機種のようです。このあと、シグマドライブとかわけのわからないNF技術に傾注した製品を出したりしていたので、トリオのアンプとしては一番充実していた時代だと思います。

ka8100-rear-org.jpg

この「KA-8100」は3年間ほど使用して、その後ずっと物置にしまわれていたようです。

フロントパネルにはほとんど無傷できれいです。さらに、リアパネルもきれいで錆も浮いていません。ただ、SP-Aのスピーカ端子が一本破損していました。電源ケーブルも換装されて、50cm程度に短くなっていました。

とりあえず、通電してみましたところ、煙など出ることもなく、保護回路が解除されて、無事音がでました。
しかし、どうも動作が不安定で片チャネルの音がでなかったり、歪んだりします。しばらく通電していると、ステレオで音がまともな音が出るようになりました。致命的ではなさそうですが、どこかに接触不良などがありそうです。

音の傾向としては、サンスイAU-5500の分厚い音とはまったく方向性が異なり、高域の伸びた爽やかな音です。どうも好みが分かれそうなサウンドです。

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ケースを外して、内部上面を確認しましたが、元箱に収められていたせいで、ほとんど埃や汚れはありません。
内部構造をみると、前年発売のKA-7100Dにとてもよく似ています。

ka8100-bottom-org.jpg

さらに裏蓋をはずして、びっくり、すこし改造の後がありました。メイン電源のブロックコンデンサにフィルムコンデンサをパラっていたり、信号配線が直出しになっていたりします。

なんでこんなことをしたのか?ですが、おそらくオリジナルの音に満足できなかったんでしょうね。一旦、もとの状態に戻してから、修復したほうが早道だと思います。

また、DC漏れをチェックしてみましたが、両チャネルとも0.1mV以下と優秀でした。DCアンプと称しているだけあります。

ともかく、「KA-8100」アンプの修復にはかなり時間がかかりそうですね。
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