2018年11月30日

サンスイ AU-5500 レストア(12)修復完了!

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サンスイ AU-5500 インテグレーテッドアンプの修理が完了しました。

AU-5500から再生されるサウンドは、43年前に製造されたアンプとは思えないレベルになりました。

サウンドチューニングの結果、十分な解像度と再生周波数レンジをキープしながら、かなり濃いサウンドを鳴らしてくれています。1950-60年代のジャズなどとても臨場感のあるサウンドです。

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フロントパネルはとても綺麗になりましたが、リアパネルはサビが浮いたりしていて、さすがに年季を感じさせられます。

また、最終組上げ後にサウンドチェックをしていたところ、ミューティング(-20dB)動作時の音質が曇った感じに聴こえたため、カーボン抵抗から金属皮膜抵抗に部品交換しておきました。小音量時でもかなりクリアになりました。

今回の修理で交換した部品はつぎの写真のとおりです。部品総数は64個にもなりました。半世紀近い歳月で劣化した部品が多く、致命的な故障を発生する寸前のタイミングでした。

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スイッチやボリュームもすべて交換したかったのですが、いまや互換部品も無いため、超音波洗浄や接点復活などの延命措置のみになりました。

今後、ふたたびスイッチやボリュームの接触不良が発生する可能性はありますが、部品自体が老朽化していますので仕方ないと思います。その際には、接点洗浄などを再度おこなうしかないでしょうね。

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かなり長期間手元において修復作業をしていたせいで、このAU-5500にはすっかり愛着が湧いてしまいました。手放すのに一抹の寂しさを感じますが、オーナーも首を長くしてお待ちなので、、、

今週末に、AU-5500をお届けする予定です。長らくお待たせしました!

修理期間中、自作デジタルアンプを貸出ししていたので、すっかり現代アンプのサウンドに慣れられてしまったとは思います。生まれ変わったAU-5500のサウンドがお気に召すかどうか、、、

ふたたびオーナーの元で、AU-5500が末長く元気に音楽を奏でてくれるのを願っています。

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2018年11月27日

サンスイ AU-5500 レストア(11)

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先週からランニングテストをおこっていますが、いまのところ安定して動作しています。

修理前よりもクリアで見通しのいいサウンドになりました。もうすこし解像度を上げるサウンドチューニングと、気になる箇所の修理をおこないました。

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その1:カップリングコンデンサの交換
 パワードライバ部の入力信号のカップリングコンデンサは、オリジナルでは標準品の電解コンデンサ(エルナー2.2uF 50V)を使われていました。

今回の修理でオーディオ用電解コンデンサ(東信 UTSJ 2.2uF 50V)に交換して様子をみていましたが、このアンプにフィットした感じではありませんでした。このため、カップリングコンデンサはメタライズド・ポリエステル・フィルムコンデンサ(WIMA MKS2 2.2uF 50V)に換装しました。この変更で解像度が向上し、かなり音質も改善したと思います。

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その2:高域インピーダンス補償回路のコンデンサ交換
 最終出力段に接続されているマイラーコンデンサ(0.068uF 50V)をフィルムコンデンサ(WIMA MKS2 0.33uF 100V)に交換しました。

これでパワードライバ部のコンデンサ類はすべて交換したことになりますので、アンプの信頼性アップにつながると思います。

上記の二つの対策によって、薄いベールが一枚剥がれた感じで、臨場感を再現できるようになりました。

フィルムコンデンサは電解コンデンサよりも高周波域までインピーダンス特性が良好なため、高域特性や解像度が改善します。中低域とのバランスが崩れるのではないかと危惧していたのですが、実装してみるとしっかりした周波数バランスになりました。

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その3:低域カットフィルタの時定数変更
 Low Filterスイッチで低域カットできる機能がついています。オリジナルはカットオフ周波数70Hz(-3dB)とかなり高めの周波数で、アナログレコードの低周波共振対策に用いるものです。現代ではあまり実用性がないので、フィルタ時定数を変更し、カットオフ周波数を10Hz以下にすることにしました。

ちょうど手元に、かなり音のいいフィルムコンデンサ(ROEDERSTEIN MKT1818 0.33uF 63V)がありましたので、これを採用しました。
高域も低域もしっかりしたコンデンサなのでサウンド変化を手軽に楽しめると思います。外部接続機器からポップノイズが混入する場合、その阻止対策になると思います。

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その4:電源ケーブルの交換
 オリジナルの電源ケーブルがねずみにかじられたのか、皮膜が破れて銅線が露出していました。
手持ちの125V15Aのキャブタイヤケーブルに交換することにしましたが、かなり太いケーブルなので実装に苦労しました。結局、ケーブルグランドという部品を取り付けてタイトに引き出すことができました。

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その5:サービスコンセントの一部無効化
 サービスコンセントの内部配線が貧弱で気になっていました。3つもあるサービスコンセントを使うことはまずないと思いますので、コンセントを1系統だけ残してあとの2系統の配線を外しました。無駄な電源配線がなくなって、電源ノイズ混入の要因も減りますし、電気保安面でのリスクも低減するでしょう。

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その6:インシュレータ(ゴム足)の交換
 オリジナルは硬質プラスチック製の足がついていましたが、かなり劣化していました。この際ですから、メタルカバー付きインシュレータに交換しておきました。足回りがしっかりしましたし、デザイン的にはとてもいい感じになりました。

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その7:バックパネルの銘板
 バックパネルのモデル銘板は、表面に保護ビニールが貼られていたため、奇跡的に傷のない綺麗な状態でした。
ねじ止めされていたので、いったん保護ビニールを剥がして、液晶保護フィルムを貼ってみました。

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さらに、ひととおり電気的なチェックをおこない、パワードライバ部の最終調整として、オフセット電圧とバイアス電流を再調整しました。

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今回、バイアス電流は少し深めの30mA(設定基準:25mA±10mA)にしておきました。以前の設定よりも小信号時の高域の歪率が下がるはずです。

しばらくエージングをして、最終的な組み上げをしたいと思います。

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2018年11月21日

サンスイ AU-5500 レストア(10)

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AU-5500のメインボリュームに依然として不具合が残っていることが判明。

しばらくランニングテストをおこなっていましたが、ボリューム最小での音漏れ、ガリの突然発生、左右バランスの不安定などの症状が再発しました。

どうも、メインボリュームの内部汚れは単純なアルコール洗浄だけでは取り切れていなかったようです。

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さすがに、これらの症状はオーディオアンプとして致命的です。音量調整はアンプ機能の中でとくに重要なものですので。

そこで、最終手段の超音波洗浄をおこなうことにしました。部品解体して内部洗浄も考えましたが、超音波洗浄のほうがリスクは少ないと判断しました。

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まず少量の中性洗剤を水で薄めて洗浄水をつくり、そこに部品を浸して超音波洗浄(9分)をかけてみると、洗浄水は黄色く変色するほどの汚れがでてきました。

長年蓄積した汚れが主体でしょうが、もしかしたら過去の修理で接点復活剤をスプレー注入されていた可能性もあります。

ちなみに、接点復活剤は一時的には接触不良を改善するのですが、導電成分を含んだオイル分が固着して、よりやっかいな接触不良を起こす可能性があります。もし接点復活剤を使うなら、電気接点部分だけにごく少量だけつけるべきです。とくにボリュームのような可動接点をもつ部品にスプレーで直接吹きかけるなどは自殺行為です。

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残った洗剤成分を水洗いしてきれいにした後、ふたたび浄水で超音波洗浄(3分)をかけました。

さらに、乾燥後に、IPA(イソプロピルアルコール)で短時間の超音波洗浄(3分)をおこないました。
アルコールで溶けるような油汚れがこれで洗浄できますし、残っていた水分も除去できます。(ただし、アルコール99%なので、発火の危険性があります。この作業はとても慎重におこなう必要があります。)

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超音波洗浄後のメインボリューム(250kΩ、A)の抵抗値を実測すると、最大値242kΩ、最小値1.2Ωまで連続的に変化しているのが確認できました。

左右チャネルで比較計測したところ、7時から15時までの回転範囲で±2%程度のギャングエラーがありましたが、まあ許容範囲ではないでしょうか。

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物理的な可変抵抗器を用いるアナログアンプではギャングエラーは無視できないので、ボリューム位置で音が変わるという現象が起こり得ます。アナログ信号を直接減衰させるので、機械的なボリュームではやはり限界があります。

メインシステムで使用しているフルデジタルアンプでは左右レベル差がほぼゼロという理想的なスペックが得られています。ギャングエラーが気になる人はフルデジタルアンプを試してみるべきですね。

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しばらくランニングテストをして動作の安定性を確認した後、最終調整に入りたいと思います。


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2018年11月09日

サンスイ AU-5500 レストア(9)

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パワーアンプ部のDCオフセット電圧とバイアス電流の調整をおこないました。

オリジナルの半固定抵抗はかなり劣化しているようで、毎回調整するごとに微妙にずれてしまうことが判明しました。

昔よくつかわれていたカーボン(炭素皮膜)タイプの半固定抵抗ですが、いまやディスコン部品です。やはり可動部分がある電気部品ですので、内部電極の汚れなどによって抵抗値がかなり変動するようです。

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安定して抵抗値をキープしてもらわないといけないので、サーメットタイプの密閉型半固定抵抗に換装することにしました。メインアンプ部の基板上でとても目立っているマリンブルーの部品です。サーメットは温度特性が良くて、摺動に伴うノイズ発生も少ないなどのメリットがあります。

DCオフセット調整はこんな感じで、ほぼ0Vに設定できました。推奨値は0V±10mVです。

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つぎに、バイアス電流の調整をしました。これがファイナル調整のつもりで、いくつかの電流値で音質を確かめながら調整です。

ちなみに、常用しているデジタルマルチメーター(Sanwa PM-10)にはなぜか電流計モードがありません。仕方ないので、物置からとても古いアナログテスターを取り出しての電流計測です。

このアナログテスターは30年以上前のSanwa AX-303TR、当時人気のあった機種のようです。とても保存状態がよくて現役としてまだまだ使えそうです。アナログならでは指針の動きもとても軽快で使いやすいです。トランジスタのhfeやダイオードのチェックも出来ます。

バイアス電流の推奨値は25mA±10mAですが、すこし深めの28mAにしてみました。ほんとうはもっとバイアス電流を流したいところですが、、、、
これは信頼性とのバランスですね。

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試しに、バイアス電流を100mAまで流してA級動作領域での再生音を聴いてみたところ、とても素晴らしい音質で再生できるのが確認できました。

ただし、発熱量が多すぎて、このアンプの放熱構造では実用に耐えられそうもありません。やはり推奨値付近でのバイアス電流設定しか無理そうです。

その昔、ヤマハのプリメインアンプCA-2000にはA/AB級切り替えモードスイッチがありましたが、そんなモードをいっそ作ってしまおうかと一瞬誘惑にかられました。
posted by toons at 08:03| Comment(0) | サウンド

2018年11月08日

オーディオ・メンテナンス・キット - いい音は日頃のメンテナンスから!

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オーディオ機器のメンテナンスにつかっているグッズ類です。

現状でこれだけあれば、オーディオ機器のメンテナンスやアンプ清掃・修理には十分だと思っています。

ベビー用綿棒などは細かい部分の清掃にもってこいです。KUREのプロユース製品群もとてもリーズナブルなのでオススメです。

やはり電子機器が故障しないようにするには日々のメンテナンスが重要ですね!とくに、清掃は基本中の基本だと思います。

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この中で一押しは、オーディオテクニカの接点クリニカ「AT6022」、RCAピンジャックやコネクタ類を掃除するのにとても便利な製品です。

この製品に含まれるクリーニングスティックはRCAピンジャックに完全にフィットした形状で、付属のIPA(イソプロピルアルコール)を染み込ませて、ピンジャックに挿して少し回転させるだけで、簡単に接点を清掃することができます。
クリーニングスティックの反対側はRCAケーブルのピンプラグに対応しています。

ただ残念なことに、いつのまにかディスコンになってしまった製品ですので、現在は入手困難です。とても便利だったので多めに買い置きしていたおかげでいまだに使っています。ぜひとも再販売してほしいものです。

posted by toons at 19:12| Comment(0) | サウンド

サンスイ AU-5500 レストア(8)

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メイン電源のブロックコンデンサを換装しました。

オリジナルのブロックコンデンサは、エルナーの4700uF 50V(サイズ:φ35×70mm)でした。

このアンプのメイン電源部のレイアウトがよかったためか、ブロックコンデンサの温度上昇は最小限に抑えられていて、熱ストレスにあまり曝されていないようでした。

外見上はとくに膨張や電解液の漏出などの異常は見られないのですが、やはり電解コンデンサは経年劣化しやすい電子部品ですので換装することにしました。

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とりはずしてみると、2本のブロックコンデンサは手に持った感じが微妙に異なります。そこで、それぞれの重量を測ってみました。

すると、約10%もの重量差があることがわかりました。43年もの歳月で、内部電解液がかなり蒸発(ドライアップ)してきているようです。静電容量も減少している可能性が高いですね。念のために換装してみてよかったと思います。

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今回交換したブロックコンデンサは、ニチコンのオーディオ用電解コンデンサ・KGシリーズの「Super Through」4700uF 63V(サイズ:φ35×50mm)です。ゴールドとブラックのスリーブで精悍な外観です。

現在の大容量電解コンデンサはとても小型化されており、このアンプに搭載するにはサイズが合わないものばかりで、部品選定にとても苦労しました。

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# ニチコン KG ”Super Through” 4700μF 63V
●定格電圧:63V
●定格静電容量:4700μF (許容差±20%)
●ケースサイズ:φ35×50mm
●損失角の正接 (tanδ):0.22
●定格リップル電流:4.5 Arms
●カテゴリ温度範囲:−40 〜 +85℃
●高温無負荷特性:85℃ 1000時間

もっと大容量にしてもいいのですが、ラッシュカレントの問題やサウンドバランスが崩れる可能性も高いので、同一容量にしておきました。

このブロックコンデンサは、オーディオ向けの低抵抗電極箔を採用しており、大容量のわりにtanδが小さいのでかなり期待できます。

さっそく電源投入して音出しをしてみたところ、周波数レンジが狭くて鈍い音で失敗したかと思いましたが、約3時間くらいで徐々にクリアになっていき、低域もしっかり出るようになりました。

やはり新しい電解コンデンサですし、半田付けによる熱ストレスもあるので、内部の陽極酸化皮膜が自己回復するまで数十時間程度の通電(エージング)が必要です。

本領を発揮するのはこれからだと思いますが、今回交換した部品のなかではコストが一番高いものですので、音質改善に効いて欲しいものです。


#備考:電解コンデンサの寿命
アルミ電解コンデンサの寿命は温度に依存して「アレニウスの法則」と呼ばれる化学反応速度論に従います。これは「10℃2倍則」とも呼ばれ、使用温度が10℃上がれば寿命は2分の1、 10℃下がれば寿命は2倍になるという法則です。

今回採用した電解コンデンサでは高温無負荷特性が85℃ 1000時間ですから、35℃で動作させれば32000時間の寿命が期待できます。つまり毎日8時間通電しても、約11年は利用できます。

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#追記:ブロックコンデンサの使用温度の実測
通常再生時でのブロックコンデンサの使用温度を計測してみました。室温21℃で、ブロックコンデンサ上面での温度は30℃でした。

室温+約10℃みたいですので、今年の夏のような猛暑であれば、50℃付近まで上昇する可能性があります。真夏は冷房しますし、真冬になれば気温は10℃以下でしょうがやはり暖房するでしょうから、やはり現在と変わらないかもしれません。

おそらく年間平均30℃くらいというのが、AU-5500でのブロックコンデンサの使用温度だと考えられます。したがって、毎日8時間使っても約15年は持ちそうですね!

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2018年11月07日

サンスイ AU-5500 レストア(7)

サンスイ AU-5500(1975年製)の修復作業中!

ランニングテストの結果、再生音のレベルが変動したり、途切れたりすることが発生したため、メインボリュームおよびトグルスイッチの接触不良と判断して、部品洗浄をおこないました。

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トグルスイッチの硬い金属外枠を強引に剥がして中身をのぞいてみると、分解は難しそうなので諦めました。ほんとうは完全分解して接点を直接掃除すべきなのですが、、、

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トグルスイッチは、たばこのヤニが部品内部まで浸透しているため、中性洗剤を薄めた浄水で超音波洗浄をおこないました。洗浄後の汚水の酷さに驚きました。

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浄水で洗剤を洗い流した後に、IPA(イソプロピルアルコール)で超音波洗浄をおこないました。

この後、トグルスイッチを取り出して乾燥させて終了です。IPAでの洗浄は、水分の残留の可能性も低くなり、安全だと思います。

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洗浄前に、トグルスイッチのON時の接触抵抗を測ったところ、一番ひどい状態のスイッチでは最大800Ωもの接触抵抗を示していました。

これが洗浄後には、ほぼ完全導通(0.0〜0.1Ω付近まで低下)しましたので、その効果は絶大でした。


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メインボリューム(左右バランス付き4連ボリューム)も同様にトグルスイッチ同様にかなり劣化しています。回転中に様々な箇所でガリがあり、抵抗値も不連続でした。

トグルスイッチでおこなった超音波洗浄は、ボリュームの内部抵抗体と擦動電極を痛める恐れがありますので、IPAでの浸潤洗浄にとどめました。

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メインボリュームをIPAに漬けて12時間放置してみると、かなりの汚れが漏出してきました。アルコール洗浄の効果は十分あったようです。

抵抗値をテスターで計測してみましたが、スムーズに抵抗値が変化するのを確認できました。

ふたたび、これらの電気部品をアッセンブリしなおして、AU-5500に電源を投入してみたところ、問題なく動作することを確認しました。

音も途切れたり、レベル変動することなく、ボリュームのガリも気にならなくなりました。

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AU-5500の再生音は、サウンドが一皮剥けて、とても見通しがよくなりました。

やはりアナログアンプは微小信号をそのまま扱うので、信号経路の接触抵抗(汚れ)がとても大きな音質劣化につながるということを改めて思い知らされました。



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2018年11月05日

サンスイ AU-5500 レストア(6)

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サンスイ AU-5500(1975年製)プリメインアンプの修復を継続中!

トーンコントロール、フォノイコライザー&サブ電源で、部品交換が必要な箇所を特定して、主に電解コンデンサーを交換しました。

#トーンコントロール部の修理

トーンコントロール部は一枚基板で構成されていて、前面パネル上側に取り付けられています。そのおかげで、汚れが多くて清掃がたいへんでした。

このトーンコントロール回路は低域、中域、高域の3バンドに分かれてコントールできるようになっています。現代では低域と高域のみが主流ですが、中域を調整できるのはけっこう便利ですね。

使用されていた電解コンデンサーには一部膨張したものがありましたが、全体にコンディションはマシなほうでした。

ニチコンとエルナーの標準品が混載されていましたが、ニチコンのオーディオグレード品(MUSE-FW、MUSE-ES)に入れ替えておきました。

*Before
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*After
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#フォノイコライザー部の修理

この当時、メインの音楽ソースであるLPレコードの入り口、フォノイコライザーは、アンプメーカーがとても力を入れたところです。

このアンプでは、この時代では珍しいモノリシックICが二つ搭載されています。フルディスクリートで構成するよりも動作安定するためだと思われます。いまや入手困難なスチロールコンデンサーも使われていて、やはりここは音質を重視した部品選定がされていますね。

フォノイコライザー部は、RCA入力端子と入力切替えスイッチも同一基板上に配置されています。

ほとんど部品劣化はありませんでしたが、電解コンデンサーのみ部品交換しておきました。トーンコントロール回路とおなじく、ニチコンのオーディオグレード品(MUSE-FW、MUSE-ES)に入れ替えておきました。

*Before
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*After
au5500-equalizer-repaired-after.jpg

#フォノイコライザー部のサブ電源の修理

こちらもパワーアンプ部と同じように、電解コンデンサーが膨れ上がって、かなり劣化が進んでいましたので、すべての電解コンデンサーを交換しました。ニチコンのオーディオグレード品(MUSE-FW)と高耐圧の標準品(VR)に入れ替えておきました。

*Before
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*After
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これで、主要な回路基板の修復は完了です。

各基板を個別チェックをしてから、メイン電源を投入して音出しをしました。とくに問題なく安定動作しているのを確認できました。

AU-5500のサウンドはかなりクリアになり、43年前のアンプとは思えないレベルになりました。

ランニングテストで試聴を繰り返していると、メインボリュームやバランスボリュームのガリやスイッチ切替えでの音途切れなどがとても気になるようになりました。

信号系統の劣化はどうも深刻のようですので、電気部品の内部清掃をやらざるを得ないようです。

とくに、メインボリュームはバランスボリュームと一体化しているので、どうしたものかと思案中です。
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2018年11月03日

サンスイ AU-5500 レストア(5)

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サンスイ AU-5500 インテグレーテッドアンプ(1975年製) 解体修理中!

再生音が出力できない原因を調査した結果、パワーアンプ部のDCオフセット電圧が本来0V付近であるはずのところ1000mV近く出ており、保護回路が働いていることがわかりました。

その不具合箇所として、ドライバー段の電解コンデンサーがほぼパンク状態であることが判明。電解コンデンサーが焦げて、膨張しています。電源を入れると、その部品自体が内部で振動しています。おそらく、内部でスパークが飛んでいるんでしょう、かなりの熱を帯びていました。

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たまに音が出るのは、この電解コンデンサーが時間をかけてチャージアップして電圧が安定してきたときに保護回路が解除されるようです。

もしこのまま使っていれば、電解コンデンサーが焼損して、パワートランジスタまで壊すところでした。

この電解コンデンサを部品交換して、電源を入れてみたところ、すぐに保護回路が解除されて、無事に音が出るようになりました!

この状態で、トランジスタやダイオード、その他の部品も再度チェックしましたが、とくに問題ないので安心しました。

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交換した電解コンデンサーは100uF-50V、現在では同じスペックでもこんなにコンパクトになっています。約半世紀の技術の進歩が伺えますね。

一般に、電解コンデンサーの寿命は1000時間(85℃)くらいなので、より低い温度条件でつかっても43年も経過すれば、設計寿命をすでに越しているはずです。

さすがに、このままだと故障予備軍を放置することになるので、他の電解コンデンサーもすべて交換することにしました。

はんだを溶かして部品を外す時に、電極が簡単に抜ける電解コンデンサーが続出、、、怖いですねぇ。

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今回交換した電解コンデンサーは総数13個。

オリジナルではエルナーの標準品でしたが、今回は信号系にオーディオグレード品(東信UTSJ 、ニチコンMUSE-ES)、保護回路に標準品(ニチコンKMG、東信BPUE)で部品交換しておきました。

標準品とオーディオグレード品の価格差はほんの少しありますが、部品点数も限られているので、トータルコストの差はわずかです。使い慣れている部品ばかりなので、これは安心料ですね。

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さらに、気になる箇所の再はんだ付け、パワートランジスタのシリコングリスの塗り直し、保護回路のリレーの接点清掃などをおこないました。

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さっそく、組み上げてパワーオン、すぐに保護回路が解除されて、ちゃんと音が出力できるようになりました。

これで、パワーアンプ部の不安材料は払拭できました。

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あと残りは、イコライザー部、トーンコントロール部、メイン電源部の動作確認、さらにボリュームやスイッチ類の接点清掃、入力端子、出力端子の接点清掃、電源ケーブルの交換など、、、、

まだまだAU-5500の修復作業は続きます。

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2018年11月01日

キムワイプ - 理系のティッシュペーパー

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Kimwies キムワイプ - 理系のためのティッシュペーパー(ローリントペーパー)

実験室の必需品として理系の学生・研究者では知らないものはいないでしょう。

キムワイプは、毛羽立ちや紙繊維脱落が少なく、水に溶けず、抜群の強度をもった特殊な拭き取り用ペーパーです。米国キンバリー・クラーク社のライセンスをうけて、日本製紙クレシアから製造販売されています。

学生時代から、このキムワイプにお世話になりました。現在も電子機器やガラス類の清掃など、家庭内でも埃を嫌うような用途で愛用しています。

業務用製品なので以前は一般ルートで販売されていませんでしたが、いまでは東急ハンズやネットショッピングなどで簡単に手に入ります。

特に、この小さなサイズはとても取り回しがよくて、細かい拭き取りに適しています。

・キムワイプ ワイパー S-200:サイズ 120x215mm、パルプ 100%、200枚

今回のサンスイ AU-5500 アンプ修理でも大活躍しています。IPAなどアルコールや溶剤にも強いので安心して使えます。

汚れを拭き取る際に、一般のティッシュペーパーであれば紙埃が必ず残ってしまいますが、このキムワイプならばそのようなこともありません。とても扱いやすい拭き取りペーパーとして、オススメです!

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同様な製品で、プロワイプという製品があります。
キムワイプの競合商品で、エリエールブランドの大王製紙の関連会社から販売されています。プロワイプ・ソフトワイパー(195×125mm)がキムワイプS-200の対抗商品のようです。

写真のものはプロワイプ・ソフトマイクロワイパーで、かなり柔らかいので、傷がつきやすいものを拭くときに使っています。ティッシュペーパーに近い触り心地で、紙の強度がすこし弱いです。

・プロワイプ ソフトマイクロワイパー S220:サイズ 188x130mm、220枚

毛羽立ちとかはキムワイプ・ワイパー S-200とほぼ同等な性能ですが、220枚入っていてコストパフォーマンスは少しいいですね。

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両者を比べてみると、形状や薄さがかなり異なります。
やはり、拭き取り用途としてはキムワイプのほうが上だと思います。個人的にも使い慣れたキムワイプが好きですね。

あと、「キムワイプ卓球」という競技があるらしく、キムワイプをラケットにして試合(実験)をするとのこと。
さすがに、やったことはないので、どういった感じになるのやら、、、、
「国際キムワイプ卓球協会(KTTA)」という団体まであります。

https://www.iktta.org/index.ja.html

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