
パイロット、18金ショートタイプ万年筆「エリートS」
実家に長らく眠っていたのを発掘してきました!
1968年発売開始、当時の定価は2,000円。
これはおそらく初期タイプでしょう。
「みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ」大橋巨泉の出演したテレビCMでの意味不明な呪文キャッチフレーズがブレークして、1969年に大ヒット商品となりました。
当時、倒産寸前だったパイロットをこの製品が救ったそうです。

画期的なワンタッチキャップ(インロー嵌合方式)とショートサイズ、胸ポケットに収まるコンパクトさ、当時のビジネスマンや学生に大いに支持をされたのも理解できます。
「エリートS」は1974年にモデルチェンジされ、1980年に廃番。
2013年に「エリート95S」として復刻され、価格は11,000円(税込)ペン先は18金から14金にグレードダウンされています。
<パイロット 100年のものがたり エリートS>
https://www.pilot.co.jp/100th/story/elite.html実は、初めて使った万年筆!小学生のとき、お下がりで貰ったものです。
書道教室で早めに段位を取得して、それではペン習字もということで、この万年筆を使いはじめた記憶があります。
いまだ外観もきれいなままで大切に使っていたんだなと、、、とても懐かしかったので、このたび再生しようと思いました。

ニブは柔らかい18金素材のためか、ニブ表面に細かい傷が多数、、、半世紀の歳月を感じさせます。写真では光って見ずらいですが、18K-750、PILOT、F と刻印されています。

・サイズ:最大径φ 12.9mm、全長 117mm、キャップ胴軸装着時 145mm、単体重量 10.7g
本体重量はインクカートリッジ込みで実測12.5gと超軽量級、キャップを反転して装着することでスタンダードサイズ並みに、細見ながら絶妙なバランスで握りやすいです。
小学生が使っても違和感がなかったのはこのサイズ感と重量バランスのせいでしょう。
本体内部に固着した古いインクがなかなか溶けず、何度も流水で洗ってみました。結局一日中、水に浸けてインクを洗い流してなんとかきれいになりました。
とりあえずの試し書き、想像以上のインクフローでとてもスムーズに書けるではありませんか。数十年眠っていた万年筆とは思えません。

書き味は、、、18Kニブらしい粘りがあり、しっとり柔らかい感じ、カリカリ感はありません。
インクフローはかなり潤沢ぎみ、顔料系インクでも十分いけそうな感じです。これが 1960、70年代を席巻した大ヒット万年筆の書き味なんでしょう。
現代的にはもっとペン先からのリアクションが欲しい感じもしますが、18Kならではのスムーズさがあり、これで十分でしょう。

この万年筆に装着可能なインクコンバータ"CON-40"も入手できたので、これでいろいろなインクを試してみようと思っています。

パイロット「エリートS」、ちょっとしたメモ書きなどのライト用途にはバッチリでしょう。日常で文字を書く楽しみのバリエーションが増えました。
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posted by toons at 20:31|
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